mig76frの投稿 (2009年 2月 18日)
今の日本では、地下鉄や高速道路などのインフラ建設は赤字で作るだけムダという印象が強い。確かに政治腐敗の温床である公共事業に問題がないとは言えないが、現在私たちが使っている貨幣制度のせいでこれらの事業が赤字にさせられている現実を考えれば、特に道路族の政治家などには、この記事は非常に参考になるのではないだろうか。なお、私は土建屋とは何の関係もない。また、同じ構図は住宅ローンにも応用が可能である。 たとえば、地下鉄の例を見てみよう。こちらで東京都営地下鉄の2007年度の決算を読むことができるが、この5ページに路線別収支明細書が出ている。その中でも2000年に全線開業した大江戸線は約458億円の収入があるものの、運営費用として約581億円出ているために約124億円の赤字が出ている(それぞれの数字を億円単位で四捨五入しているので、このブログの数字をそのまま計算しても合計に一致しないことがある)。しかし、支出の内訳をよく見てみると142億円もの金利負担がある。ということは、仮に金利負担なしで大江戸線の建設ができていれば、2007年度時点で大江戸線は黒字になっていたと言える。また、減価償却費(建設費の償還)が206億円を占めているが、仮に減価償却が済んでいたとすると、この合計348億円は支出する必要がなくなり、人件費と物件費をあわせた227億円だけで運営可能で、運賃を半額にしても黒字になると言える(運賃が半額になれば当然のことながら地下鉄の利用者も増えることだろう)。 ちなみに、都営地下鉄4路線(浅草線、新宿線、三田線、大江戸線)を合わせると、1466億円の収入がある一方、人件費と物件費の合計が679億円、減価償却費用が443億円、そして金利が215億円なので、合計で1337億円の支出となり、多少黒字が出ている状態であるが、仮に金利がなければ黒字幅は343億円に、そして減価償却が全て済んでしまえば787億円もの大幅黒字となり、都営線全線を半額にしても黒字となる。まあ、実際には減価償却には駅や地下鉄路線のように一回建設してしまえば半永久的に使えるものだけではなく、車両のように定期的に更新が必要なものもあるので、この計算通りには行かないだろうが…。 また、高速道路の場合も同じことが言える。本四連絡橋については2003年度に累積赤字が切り離されたことによって黒字化していたが、その前の数字を見てみるといかに金利が問題であるかがわかる。2002年度には853億円もの通行料収入があったにもかかわらず、1087億円もの金利負担(元金返済を含まず)のせいで大幅な赤字を記録していた。仮にこの金利負担がなければ、1/4の通行料でも黒字になっていたことだろう(当時の高速道路会計には減価償却という発想はなかった)。 当然のことながら、減価する貨幣の導入により金利負担がなくなれば、これらの事業は全て黒字になる。そうなると、公共事業=赤字という構図が崩れ去り、少なくとも今のような公共事業の削減の嵐は止むことであろう(もちろん不要な公共事業については削減する必要はあるとは思うが)。 公共事業が減ったと嘆いている土建屋は少なくないだろうが、減る一方の仕事を霞が関に陳情する時間と手間があるのであれば、公共事業に有利になる通貨政策を研究したほうがはるかに有益ではないだろうか。