減価する貨幣とは?

「持続可能な成長」そのものを疑う

Posted on: 2009年 2月 6日

政治家のコメントや経済誌の記事では、持続可能な成長という表現がよく使われる。しかし、そもそも持続可能な成長という表現自体を私は疑ってかかりたい。

ドイツの建築家で、「エンデの遺言」でも登場したマルグリット・ケネディは、その主要著書「金利ともインフレとも無縁なお金」(1993)という本で以下のように説明している。

ケネディは、自然物であればAのような曲線をたどるとしている。すなわち子どもの頃であれば急成長をするものの、20歳を超えると量的成長は頭打ちとなる。これは経済でも同じで、貧しいうちは電化製品や持ち家などを必要とするが、ある程度経済的に豊かになるとそれほど必要ではなくなり、経済成長が停滞する。日本で言えば、誰もがテレビやクーラーなどを求めていた1960年代から80年代にかけては経済が成長したが、電化製品など文明の利器を誰もが持てるようになると消費が冷え込み、経済成長が望めなくなったのである。

しかし複利、すなわち指数関数的な成長を前提として成立している現在の金融システムではC型の成長が要求されている。これは自然界では実はガン細胞の成長であり、この金融システムにより遅かれ早かれ私たちの経済は破綻する運命にあるのだと、ケネディは説いている。

指数関数的な成長というものは、本当に恐ろしいものである。たとえば「ニューヨークのマンハッタン島を売ったアメリカ先住民が、仮にその代金24ドルを銀行に預けていたら、今頃マンハッタン島にある資産全てを買い占めることができただろう」という表現がある。実際には年利6%で計算してもそこまでの額にはならないが、それでも数十億ドル単位のお金にはなっていたことは間違いない。利率が6%だと12年で、5%でも15年で倍になるが、仮に毎年5%の割合で永遠に経済成長が続くとした場合、われわれの子どもはわれわれ自身よりも4倍、孫は16倍、そしてひ孫は64倍も経済的に豊かな生活を送れなければならないはずだが、そんな調子で永遠に経済成長が続くほうがおかしいと考えるほうが常識ではないだろうか。

広告

1 Response to "「持続可能な成長」そのものを疑う"

[…] 以前、持続可能な成長という概念そのものを疑った記事をこのブログに投稿したが、この主張を行っているマルグリット・ケネディは、金利制度により貧しい人から豊かな人への富の再配分が起こっていることを、以下の図でわかりやすく示している。 […]

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。