減価する貨幣とは?

政府貨幣を成功させるには: カギは減価

Posted on: 2009年 2月 9日

さて、このような議論を踏まえて、政府貨幣を成功にするにはどのようにすればよいかについて、具体的にかつ戦略的に考えてみたい。なお、詳しい理論的説明を読みたくない人は、赤字の部分だけ読んでもらってもかまわない。

1) 流動性の重要性についての議論を活発に実施

昨日書いたヴェルグルの例でも明らかだが、「カネは天下の回りモノ」であってなんぼの存在である。政府貨幣についても、たとえば特別給付金として1万5000円各人に単にバラ撒いても、そのぶん1万5000円ぶん預金が増え、日本円と同じように何回か流通して政府に税金として戻ってくるだけの結果に終わっては何の意味もない。ヴェルグルでは通貨供給量は平均でわずか5400シリングだったにもかかわらず、毎日1回以上の取引を仲介したことで250万シリングもの経済効果を生み出したが、とにかく日本円とは違って退蔵することができず、絶えず流通する仕組みの通貨を導入することで経済の安定化を目指すという議論を行い、世論がそれについて来るようになるまで待つ必要があるだろう。つまり、10兆円バラ撒いても2回しか取引を行わなければ経済効果は20兆円に過ぎないが、バラ撒き額が1兆円でも100回取引を行えば100兆円の効果を生むことになり、そのためには減価する貨幣という、歴史的にも実績のある制度を実施する必要があるというように世論を誘導するわけである。

2) 携帯電話業者などと提携して、電子通貨決済機能つきの携帯電話端末を大量生産し、その開発費用は政府が全部負担。

減価する貨幣を効率よく市中に流通させるには電子化が不可欠だが、そのための費用は最小化する必要がある。地上波デジタル化でもこれだけ世論の反発が強い現状を考えると(世界の主要先進国が軒並み地上デジタル化を進めているのに、日本だけ乗り遅れたら技術立国として恥ずかしいとは一般日本人は考えない)、今や高齢者を含めて日本人や日本在住の外国人の大多数が保有している携帯電話に電子通貨決済機能を搭載させ、メールを送ったりSUICAを改札口にタッチしたりする感覚で、個人間でも電子通貨決済ができるシステムを開発する。この際に住基カードを絡めると世論の反発を受けるので(住基カードそのものに対する反発のほか、住基カードベースの地域通貨の失敗もその理由にある)、住基カードは今回は関連付けさせないようにする(総務省が怒るかもしれないが、年齢認証だけであれば独自カードにする必要のないTASPOの開発が必要だった経緯を見れば明らか)。

3) このように政府貨幣に必要なインフラや世論が十分に整備されるのを待って、減価する貨幣として政府貨幣を導入

具体的には、以前紹介したオランダのNGO「ストロハルム」によるフォメントプロジェクトのような形で、公共事業での支払いの一部を電子通貨建てにするという形での運営が可能だろう。仮に流通額がわずか1兆円(ちなみに日本円の流通額は現金だけでも70兆円以上、普通預金や当座預金を含めると500兆円近く)しかなくても、毎日1回のペースでこの減価する貨幣が流通すれば365兆円もの経済効果を生むことになる。ちなみに、日本のGDPはここ20年近く、500兆円前後で推移している。

いずれにしろ、性急に実施して失敗するぐらいなら、時間をかけて機が熟すのを待つ必要があることだけは確かであろう。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。